美しさを心に受けとめることの出来る精神の高さ
2001年 平成十三年 四月 河原 碧子
今日ここに来られた皆様の中には自分はデザイナーに向いているのかなと内心不安な方がいらっしゃるかも知れません。「デザイナーになろう」と云うはっきりした目標を持った積極的な人と「細かい事が好きで器用だし綺麗な物が好き」だから、デザイナーという仕事に向いているかも知れないと思う消極的な人もいるでしょう。これから皆さんが真面目にデザインを勉強したり、制作したりしていくうちに人生観や価値観や先見性などがだんだん身についていきます。
「デザインでも勉強したら」と人に薦められて、好きな事なら頑張れるだろうと思っている人がこれ等の事を身につけながら培った感性の他に、皆さんには「美しいものが好きだ」という共通点があります。心の奥底に秘められた美意識と美しいものへの憧れがある人は「美しさを心に受けとめる精神の高さ」を持ち合わせている人です。
それは自然を愛する心にも繋がり、自然が織りなす四季折折の様々な変化にも感動する感受性の豊かな人だからです。その点で貴方のデザイナーとして ☆「第一条件」は合格です。
第二の条件は「もっと便利なものに改良して見よう」「もっと綺麗で人の目を楽しませるものを創ろう」と云う仕事への「夢」「チャレンジ精神」「工夫の精神」があるという事です。
アイデアが次々湧いてくる「柔軟な頭脳」や「工夫の精神」は最も大切な条件です。
第三の条件は「感覚の良さ」です。感覚=センスは先天的なものですが、環境や教育によっても洗練されて行きます。どんな良い環境で育ち、良い教育を受けても努力せずに、感覚=センスを磨くことは出来ません。優れた才能をもっている人は必ず努力をしています。自分の持っている先天的な感覚を更に「磨き養い、育てる」為の努力は「一生」続ける事によって才能の花は開くのだと思います。
この「一生」という処が大事です。
☆皆さんが選んだデザイナーの仕事はやり甲斐のある仕事です。
これから「時代から世の中から要求される職業」であることに間違いありません。皆さんは生活の中で常に良いものを「沢山見て」「沢山考える」チャンスを作って自信を持って勉強して下さい。
次の三つの言葉を当校のポリシーとして皆さんに贈って、今日のスタートを記念に、はなむけの言葉と致します。
How important is the youth!
若い時がどれだけ大切か!
Design makes us and circumstance happy!
デザインはまわりも自分も楽しくする!
Live brilliant with dreams!
夢を追って輝いて生きる!