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☆ 読書のすすめ ☆

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読書 朗読 イメージ 絵画 イラスト

授業で朗読した本もあります。朗読を聞き、イメージを絵で表現します。


『 地球が教える奇跡の技術 』石田秀輝+新しい暮らしとテクノロジーを考える委員会 (祥伝社)

松本零士が表紙絵を描いている。人類の環境負荷の大きさなどから、我慢・節約やエコ商品の購入を促しているが、環境問題の解決は我慢やエコ商品の購入ではなく、ライフスタイルを変える必要性があると説明している。


『 百寺巡礼 』五木寛之(講談社)

古寺、名刹のある場所には、不思議なエネルギーがある。それを体で感じ、悠久の歴史に思う。

『 一途一心、命をつなぐ 』 天野篤(飛鳥新社)

心臓外科医としてこれまでに6000人以上の命を救った順天堂大の天野篤教授。三浪して日大医学部に入った医師が、何故天皇陛下の執刀医に選ばれたのかわかる。

『 播磨灘物語 』司馬 遼太郎 (講談社文庫)四巻

諸国を放浪する牢人の子に生まれながら、広大な世界に憧れる。戦国末期の異才、黒田官兵衛の誕生から最期まで波乱万丈の一生を描く歴史大作。「竜馬がゆく」「坂の上の雲」「翔ぶが如く」「街道を往く」などと並ぶ大作

『 知的人生に贈る(どう生きるかを考える書) 』田中菊雄・渡部昇一(特別解説)(知的生きかた文庫)

独学で英語学者として大学教授にまでになった人。勉強法やいかに生きるかといったテーマや金銭、異性との付き合い方など一生ものの知識を古典から引用。

『 天気と気象についてわかっていることいないこと 』「筆保弘徳/台風の研究」「芳村圭/水循環の研究」「稲津將/温帯低気圧の研究」「吉野純/竜巻の研究」「加藤輝之/集中豪雨の研究」「茂木耕作/梅雨の研究」「三好建正/天気予報の研究」(ペレ出版)

気象学の分野で注目されている7つのトピックをとりあげ、それぞれの基本的なしくみや概念を解説し、気象学の最前線で活躍する研究者たちが、気象のおもしろさ、不思議さを伝えている。

『 大発見の思考法 』 山中伸弥・益川敏英(文春新書)

二十一世紀最大の偉業といわれるiPS細胞の生みの親と生命の神秘を解明。新素粒子「トップクォーク」の存在を予言。ノーベル賞受賞の物理学者と世界が注目する二人の対談「大発見はどうして生まれたのか」。マイペースで人生を楽しむ物理学者。

『 知の逆転 』 ジャレド・ダイアモンド,ノーム・チョムスキー,オリバー・サックス,マービン・ミンスキー,トム・レイトン, ジェームズ・ワトソン(NHK出版新書)

潤沢な情報はロマンを奪いつつある。全くこの世で生きるのは難儀だが、たとえ僅かでも強く心に残る出会いがあれば、それで結構やっていけるような気がする。生きていくこと自体がその人独特のアートなのだろう。

『 宇宙のはじまりの星はどこにあるのか 』 谷口義明 メディアファクトリー新書

宇宙はどうやってできたのか? これからどうなるのか?これらの謎を解くカギとなる135億年前の宇宙最古「はじまりの星」。この星をすばる望遠鏡やハッブル宇宙望遠鏡を使って、世界で最も遠くを見つめている研究者が宇宙の姿を論じる知的科学ノンフィクション。

『 記憶力を磨く方法 』 夏谷隆治 (著) 池谷裕二(監修)

脳の力の伸ばし方がよくわかる。脳の「クセ」を利用して、記憶をしっかり「定着」させれば、忘れない。「刺激」と「コツ」を利用して記憶力を伸ばしていく方法。

『 スモール イズ ビューティフル 』 エルンスト・フリードリッヒ・シューマッハ著 小島 慶三、酒井 懋 翻訳 (講談社学術文庫)

一九七三年イギリスの経済学者 エルンスト・フリードリッヒ・シューマッハが著したエネルギー危機・仏教経済学のエッセイ集。大きいことが良い事ではない。強いことが良いとは限らない、速ければ速いほど良いというものでもない、あるいは何が高級か。何が一番か、そういうことは決まっていない。

『 ペンギンが教えてくれた物理のはなし 』 渡辺佑基著 (河出ブックス)

人は一時間のスケール、一日のスケール、一週間のスケールというように、階層的な複数の時間スケールを同時に認識して行動している。ペンギンも複数の時間スケールを同時に認識し、それに合わせ行動を調節していることがわかった。渡辺佑基助教らは、南極のアデリーペンギンに小型記録計を取り付ける事により、ペンギンが海の中でオキアミを捕える行動をモニタリングした。

『 強い力と弱い力 』 大栗博司 (幻冬舎新書)

ヒッグス粒子が宇宙にかけた魔法を解く。「強い力と弱い力」の関係は、「美女と野獣」の関係と似ているという作者が弱い力の美しさを覆い隠していた魔法は、どのようにして解かれたのか、という観点から説得力のある解説で物理学の歴史に一石を投じている。

『 医学的根拠とは何か 』 津田敏秀 (岩波新書)

人間にほとんど接することなく医学の研究や実験を行なっている、現在の医学会に対して告発すべく、本来の医学とは何かを医学的根拠に基づいて詳しく述べている。

『 市民科学者として生きる 』 高木仁三郎(岩波新書)

専門性を持った科学者が、狭いアカデミズムの枠を超え、市民の立場で行動することは可能なのか。長年にわたって核問題に取り組み大きな影響を与えてきた著者が、自分史を振り返りつつ、自立した科学者として生きることの意味を問い、未来への希望に基づいた「市民の科学」のあり方を探る。

『 人間この未知なるもの 』 (人間とはいかなるものか何が人生の原動力になるのか)アレキシス・カレル 渡部昇一・訳 (三笠書房)

人間について統合的に知ることである。現代文明は退廃し本来自然の法則に支配されるべき人間の心と身体を退化させている。

『 孤独な散歩者の夢想 』 ジャンジャック・ルソー(1712-1778)「思想家・著述家・音楽家・植物学者」

”こうしてわたしは地上でたったひとりになってしまった。もう兄弟も隣人も友人もいない。自分自身のほかには、ともに語る相手もない。”これは死の直前に自分の一生を走馬燈のように見るという夢想を書き綴ったものである。少年期より放浪のうちに独学し、社会・芸術に関する論文を発表。人間の自然な成り立ちに添う教育を理想とする「エミール」が当時の王権・宗教界への痛烈な批判として発禁処分となり、一転して社会的に弾劾される。「孤独な散歩者の夢想」は晩年、パリ近郊を歩きながらの内省を著述した遺作。★ 日本で童謡「むすんでひらいて」として知られる。旋律は、ルソー作曲のオペラ「村の占い師」の一節から。

『 本はこれから 』 池澤夏樹 (岩波新書)

有識者のべ37名が、”本の未来”について語ったエッセイ集。書き手・読み手による議論は、どれも読み応えがある。紙の本への愛情を説くもの。

『 理科系の文学誌 』 荒俣 宏 (工作舎)

かつて、科学と文学は、神話のなかで融合しており、文明発生以降も占星術や、魔術、寓意文学などのうちに密接な関係を保ってきた。近代になって、それぞれは分離する傾向をもったが、宇宙時代にはいって、再びSFのなかで接触をはじめた。文学が科学の普遍性をつかって宇宙と人類を描こうとするとき、科学そのものの奥に、歴史的、地域的な「呪術的な刻印」が残っていることに気づく。逆に荒俣氏のように「理科系」の立場から「文学史」をチェックすることによって、より鮮やかに浮かび上がってくる。推薦 小松左京

『 人生の考察 』アレキシス・カレル 渡部昇一・訳(三笠書房)

自分を楽しませるだけの人生程、愚かなものはない。人間には記憶に刻まれる行為と記憶に残らないが細胞の一つ一つに刻まれる行為があり、重要なのは後者である。このことを精神論に医学的根拠を加えた視点で説く。


『 記憶力 』岩原信九郎(講談社現代新書)

もしも記憶という能力がなかったら、人間は単調な行動を永遠に繰り返す事になる。そこには文化も歴史も芽生えないだろう。記憶力は、<人間らしさ>を根底で支える最も重要な精神活動である。物忘れはなぜ起こるか、遺伝子の記憶構造はどんな仕組みになっているのか、短期記憶と長期記憶はどう違うのか・・・。<日常生活と記憶>に視点を置いて、この不思議な能力の仕組みを探り、さらに、記憶力増強法の具体例を示している。

『 ニュートリノでわかる宇宙・素粒子の謎 』鈴木 厚人(集英社新書)

宇宙の仕組みや誕生の謎を解き明かすニュートリノ。その魅力と物理学の最先端で行われている
スリリングな実験の全容を、ノーベル物理学賞の最右翼と目される著者が明らかにする入門書。無の広がりを持つ宇宙と、極小を描き出した素粒子の世界。両者が実は密接に関連する様子を明らかにした宇宙物理学にあって、ニュートリノは宇宙創生の謎を解く最も重要な役割を担っている。

『 青い光に魅せられて 青色LED開発物語 』赤﨑勇(日本経済新聞出版社)

ノーベル物理学賞受賞者が、自ら語る開発秘話!赤﨑勇教授、天野浩教授らの研究グループは、こうして世界初の「青い光」を実現させた。光の三原色である青色が出来たことで、白が作れるようになった。夢の技術をどのように手に入れたのか確立させた道程を語る。

『 水底の歌 』梅原猛著作集 (新潮文庫)

日本精神の系譜。著者がその哲学的思惟を通して日本の古代を照射し斬新な説を次々に提起している。

『 日本語のこころ 』渡部昇一 (講談社現代新書)

日本人の平等原理は「和歌」であった。「万葉集」の作者が、兵士・農民から天皇まで、あらゆる階層のみならず、帰化人ま含んでいることが、これを如実に示している。和歌をよくすること、日本語の真髄を体得することで、日本人のアイデンティティは形づくられた。本書は、日本人にとって日本語がもつ独特な意味を、他言語・他民族との比較、和語と漢語の対照など、縦横の引例・傍証で明らかにした注目の労作。

『 創造思考の技術 』中山正和 (講談社現代新書)

能力ある人が埋もれてしまって自分の才能に気づかずにいる例が驚くほど多い。著者は、企業の中で創造力を発揮しだす若い人たちに何度かぶつかったという。創造性とは、生まれつきではなく、訓練によって開発しうる<技術>なのである。

『 善の研究 』西田 幾多郎(岩波文庫)

いわゆる純粋経験の立場から哲学の全領域にわたって整然と組織された哲学体系である。のちの西田哲学の基礎となり,かつ純粋経験によって知識・道徳・宗教の一切を基礎づけようとする強靱な思惟に貫かれた。この処女作は、明治以後日本人のものした最初の哲学書と言われ、多くの人に読まれている。(解説 下村寅太郎)

『 私の読書法 』清水幾太郎(岩波文庫)

一口に読書法といっても、そこには二つ問題がある。一つは、どういう書物を、どこで、いつ、いかに読むか、という種類の問題。もう一つの問題は、どんな本でも読んだ本の内容をいかに保存するか、どうして後の役に立たせるか、そのために、どんな工夫をするか、という点にある。中村光夫 渡辺照宏 杉浦明平 八杉竜一 千田是也 加藤周一田中美知太郎 鶴見俊輔 蔵原惟人 都留重人 松田道雄 茅 誠司 吉田洋一松方三郎 大内兵衛宮沢俊義 円地文子 梅棹忠夫 開高 健

『 お家さん 』玉岡かおる(新潮文庫)

明治7年から昭和2年の約半世紀の間に世界に君臨した神戸の鈴木商店を題材にした小説。働く者たちの拠り処たる「家」を構えた商家の女主人「お家さん」と呼ばれた鈴木よね。彼女の「商売人がやらねばならない、ほんまの意味の文明開化」とは何か。鈴木商店のトップとして生きた女性の激動の時代を描く感動の大河小説。TVドラマにもなる。

『 海賊と呼ばれた男 』百田尚樹(講談社文庫)

出光興産の創業者、出光佐三をモデルにしたノンフィクション。終戦後日本人の中にもまだ彼のような繊細で豪快な先見性のある偉大な人物がいたのかと畏敬の念を感じる小説。出光佐三モデルの「海賊と呼ばれた男」は血湧き肉踊る興奮を呼び起こす。石油の一滴は血の一滴と世界中で争いが起こった時代に彼が命がけで国の為に尽くした行いは日本人魂を掻き立てる。

『 読書入門―人間の器を大きくする名著 』齋藤孝(新潮文庫)

小説、評伝、ノンフィクション、写真集、絵本、漫画、落語、海外文学などあらゆるジャンルの50冊には人生を豊かにする大きな力がある。確信をもっておすすめできる、バラエティ豊かな名著。

『 自然と人生 』 徳冨蘆花(岩波文庫)

蘆花は、富士の見える逗子海岸で、毎日接する自然の姿を賛美し、そのなかでの人間の生き方について絶えず考えて暮らした。その結晶がこの『自然と人生』である。戦前しばしば、教科書に載せられてきた。明治三十三年刊。

『 吉田松陰 異端のリーダー 』津本 陽 (角川書店)

吉田松陰が松下村塾で指導した期間は二年にも満たないが、物置小屋を改造した八畳の間から、高杉晋作、伊藤博文、山県有朋など、明治維新をになった若者たちが育った事情が読み取れる。なぜ松陰は短期間でこれほど多くの偉人を生み出す事が出来たのかゼミ方式の実践的な教育スタイルと、自分の生死すら度外視した驚異的な松陰の、時代を把握する感覚を分析し、その松陰の生涯を検証して、世に知られている人物像とは一線を画した独自の視点で描かれている。

『 阿部一族 』森鴎外(岩波文庫)

殉死の問題を取り扱った作品で、封建制のもとでの武士道の意地が、人間性をぎりぎりにまで圧迫して、ついにはその破滅に至らせる経緯を、簡潔な迫力ある筆で描いた歴史小説の傑作。

『 浮雲 』二葉亭四迷(岩波文庫)

秀才だが世才に乏しい文三の失職を機に、従妹お勢の心は軽薄才子の昇に傾いてゆく。 自意識過剰の中で片恋に苦しむ文三の姿を中心に色々な人間の典型を描きながら、その中に官僚腐敗への批判が見える。 最初の近代リアリズム小説であり、その清新な言文一致の文体は明治文学の出発点となった。

『 すみだ川 』永井荷風(岩波文庫)

明治も末近いころの、なつかしい江戸の面影が 朝靄の中の灯のように残っている風景とその季節的推移が、この小説の真の“主人公”である。うら若い男女のはかない交渉と周囲の人情の経緯を、影絵のような美しい点景として配している。

『 思出の記 』徳冨健次郎(岩波文庫)

零落した旧家の一人息子菊池慎太郎の波瀾に富む人生を描いた長篇小説。主人公の思想と情熱、彼を取り巻く人々の人情,明治二〇年代の世相の描写などには、多分に作者の自伝的要素が含まれている。『黒い眼と茶色の目』『寄生木』などの系列につらなり、蘆花の文学的生涯を知る上に重要な鍵となる作品。

『 赤光 』斉藤茂吉(岩波文庫)

万葉の伝統と西欧近代の精神との本質的な融合によって、日本 の文学に真の近代をもたらした画期的な歌集である。「死にた まふ母」「おひろ」の溢るる叙情は心を揺り動かす。文庫本は斎藤茂吉(1882-1953)みずから定本とした改選版に、発表当時異常の影響を文芸界に与えた初版本 (大正2年刊)を付載。 解説=柴生田稔

『 銀の匙 』中勘助(岩波文庫)

作者は,小説家,詩人,随筆家として極めて独創的な歩みを続けてきた人。幼少年期の可憐な姿を子供だけが持ちうる新鮮で鋭い感覚をもって描いたこの作品は漱石が未曾有のものと激賞した。 解説=和辻哲郎

『 菜根譚 』今井宇三郎(岩波書店)

「人よく菜根を咬みえば、則ち百事なすべし」。菜根は堅くて筋が多い、これをかみしめてこそ、ものの真の味わいがわかる。中国明代の末期に儒・仏・道の三教を兼修した洪自誠が、自身の人生体験を基に、深くかみしめて味わうべき人生の哲理を簡潔な語録の形に著わした。的確な読み下し、平易な訳文。更に長年研究の成果は「注と解説」にも充分に盛りこまれている。


『 閉じる幸せ 』残間里江子(岩波新書)

長い人生をより活きいきと生きるために、古い自分を捨てて新しい自分と出会うために、あまり参考になるとは思えない人にも作者の社交力とバイタリティー、実行力による新しい生き方の方法に勇気づけられる。変わりたい。でも変われない―。そんなとき必要なのは、「変わる」でなく「閉じる」である。人生は長きにわたる舞台。折々に幕の閉じ時がやってくる。

『 十六の話 』司馬遼太郎(中公文庫)

二十一世紀に生きる人びとへの思いを込めて伝える、「歴史から学んだ人間の生き方の基本的なことども」。山片蟠桃や緒方洪庵の美しい生涯、井筒俊彦氏・開高健氏の思想と文学、「華厳をめぐる話」など十六の文集。新たに井筒俊彦氏との対談「二十世紀末の闇と光」を収録。

『 ロビンソン・クルーソー 』デフォー 平井正穂訳(岩波文庫)

有名な冒険物語であるが、波瀾に富んだ出来事の面白さに加えて、主人公の生き方に表われている当時のイギリス中流層の理想的な姿が読みとれる。特に二十八年間の孤島の生活では、敬神の念と合理的行動を武器に、如何なる境遇も着々と自力で切り開いてゆく不屈の人間像が、周到に、かつ鮮やかに描き出されている。

『 高慢と偏見 』オースティン 富田彬訳(岩波文庫)

ここにいう“高慢”とは男性が女性に対する優越感であり“偏見”とは女性が男性に対する劣等感を意味する。 地主ベネット氏一家を中心とする恋のやりとりは明るいユーモアに満ち、心理描写にすぐれた作者の最大傑作であり、またイギリス文学の一典型である。 漱石が“則天去私”の例作としてあげた。

『 ジュリアス・シーザー 』シェイクスピア 中野好夫訳(岩波文庫)

国士であるが人間性に乏しい学者肌のブルータスを中心に、現実的な策略家キャシアス、多くの人間的弱点をもつシーザー、 道徳的には乏しいが人間操縦には本質的な智を持つアントニー。この四人の交渉と葛藤を中心に人間の類型をえがき、人間のよさや、弱さ、みにくさを描出してあます所がない。

『 ディヴィッド・コパフィールド 』ディケンズ 市川又彦訳 (岩波文庫)

世界文学の中でも、十指に屈せられるべき必読の書。主人公デ イヴィドが生まれた時にはもう父は死んでいた。母も再婚の後 まもなく死に、頼るものとしては忠実な乳母ペゴティひとり。それから彼の生活の苦闘が始まる。困難にあっても、悲しみに あっても、彼は人間への信頼をけっして失わない。そして最後 の明るい結末。一八四九~五〇年作

『 月と六ペンス 』モーム 阿部知二訳(岩波文庫)

絵を描きたい一念でロンドンの幸福な家庭から突然姿を消した男。文明社会から逃れて太陽と自然の島タヒチに身をひそめ、恐ろしい病魔におかされながらも会心の大作を描いて死んで行った男がこの作品の主人公である。フランスの画家ゴーギャンの生涯にヒントをえて創作したといわれ、モームの代表作である。一九一九年刊

『 ファウスト博士 』トーマス・マン 関泰祐・関楠生 訳(岩波文庫)

現代のファウストに擬せられる一天才作曲家の芸術家としての悲劇的生涯に托して作者が追求するものは何なのか。芸術の不毛と孤立とを娼婦からの病毒感染による霊感という「悪魔との契約」によって乗りきろうとして破滅する主人公。ナチズムの毒に冒され破滅へむかってつき進むドイツ、重い時代の流れがたくみに描かれる。

『 デミアン 』ヘルマン・ヘッセ 実吉捷郎 訳(岩波文庫)

デミアンは、夢想的でありながら現実的な意志を持ち、輝く星のような霊気と生気を秘める謎めいた青年像である。「人間の使命はおのれにもどることだ」という命題を展開したこの小説は、第一次大戦直後の精神の危機を脱した作者が、自身の転換期にうちたてた見事な記念碑というべき名作。一九一九年刊

『 変身 』カフカ 山下肇 訳(岩波文庫)

まじめな若いセールスマンが或る朝目をさますと自分が一匹の虫けらに変わっているのを発見する。然しなお人間としての善意を持ち続けた彼は、数ヶ月を悩んだ挙句、家族からも見放されて孤独の厳しさの中で死んでゆく。これはカフカの独自な世界を典型的に表現する中篇として注目される作品である。

『 知られざる傑作 』バルザック 水野 亮 訳(岩波文庫)

芸術の使命は自然を模写する事ではなく、これを表現する事にある」という信念を抱いて一つの作品に十年の精進をささげた老画家が、限りなき理想と限りある人間の力量との隔絶に絶望し、ついに心血を注いだ画布を焼きすてて自殺する経緯を描いた「知られざる傑作」をはじめ『人間喜劇』からえりすぐった6つの短篇を収めている。

『 三銃士 』デュマ 生島遼一 訳 (岩波文庫)

三銃士は世界中でもっとも人に愛された歴史小説である。全編にあふれる作者の生気、貴族的な気品、無駄のない構図、そしてリシュリューの策謀。アンヌ王妃の恋等、史実をも巧みに織り込んでいるが、特にこの小説の魅力は、フランスの愛すべきガスコン魂(心意気)に貫かれた若々しい男性的ロマンである事である。一八四四年刊

『 感情教育 』フローベル 生島遼一 訳(岩波文庫)

一九世紀も半ば、二月革命に沸く動乱のパリを舞台に多感な一青年の感情生活を描く。小説に描かれた最も美しい女性像の一人といわれるアルマー夫人への主人公の思慕を縦糸とし、官能的な恋、打算的な恋、様々な人間像と事件を簡潔な筆で絡ませてゆく。ここには、歴史の流れと或る人間の精神の流れが、見事に融合されている。

『 トルストイの生涯 』ロマン・ロラン 蛯原徳夫訳(岩波文庫)

ロマン・ロランは、人生と芸術に悩む無名の一青年であった若き日の自分の手紙に返事を寄せて励ましてくれた老トルストイを終生、人生最大の師と仰ぎ、尊敬と愛情を抱き続けた。その恩にむくいるべく筆をとったのがこの伝記である。ここには超人的な偉人トルストイではなく、人間のうちでも最も人間的なトルストイが描かれている。ロマン・ロランのすべての伝記作品と同じく真実に生きるために戦わずにいられない戦い。何よりもまず人間性の弱さそのものを克服するための戦いへの激励と、この戦いに敗れた人々への深い慰めが見出される。一九一一年刊

『 芸術とはなにか 』トルストイ 河野与一訳 (岩波文庫)

「戦争と平和」「アンナ・カレーニナ」「復活」などの名作を次つぎに生み、またロシア民話の再生に努めたトルストイが、自己の体験を生かしながら書き綴った芸術論である。作者は、思いきって従来の芸術論に抗議している。

『 どん底 』ゴーリキイ 中村白葉訳 (岩波文庫)

この一遍は周知の如くゴーリキイの名を永遠に光輝あらしめた名作であり、一貫した筋はないが
木賃宿の内外を舞台とした社会のどん底にうごめく様々なタイプの零落者を描く四幕劇である。そこには死があり、恋があり、殺人がある。温情、葛藤、嫉妬等あらゆる人生の要素があり、人間生活の痛々しい断面がある。

『 人生論 』トルストイ 中村 融 訳 (岩波文庫)

人生とは善への希求であり、その努力にこそ人生の真の意義がある。善こそは人生の目的なのだ。この目的は人間にのみ与えられたあの理性の働き、即ち愛によってである、と。『人生論』には、この偉大な「人生の教師」晩年の思索と体験のすべてがこめられている。

『 こころ 』夏目漱石(講談社文庫)

最も親しい友人を死に追いやった罪の意識を抱きつつ、暗い思いで自滅への日々を送る主人公“先生”のこころの行方。「彼岸過迄」「行人」に続く後期3部作の終作。近代知識人のエゴイズムと倫理感の葛藤を重厚な筆致で掘り下げた心理小説の名編。

『 盲目物語・春琴抄 』谷崎潤一郎(講談社文庫)

信長の妹お市の方の悲劇的生涯を中心に、戦国時代の人間の運命を哀切に描く「盲目物語」。めしいながら才色兼備の娘 春琴を慕う奉公人佐助の献身的な愛の物語「春琴抄」。文豪谷崎の二大名作を収録。

『 友情 』武者小路実篤(講談社文庫)

戯曲家をもって任じている野島、闊達にして聡明な杉子、新進作家大宮…。三人の心理的葛藤を描き、“逆境こそ強く生きるための最大の糧”だとする作者の人生観間に裏付けられた、若い世代の必読書。

『 山椒魚・本日休診 』井伏鱒二(講談社文庫)

処女作「山椒魚」から「鯉」「屋根の上のサワン」など初期短編をはじめ、「遥拝体調」「本日休診」など戦前戦後の中短編の名作九編を収録。鋭い人間観察と酒脱な表現で庶民生活の哀歓を描く井伏文学の精粋集。

『 お伽草子・新釈諸国噺 』太宰 治(講談社文庫)

誰もが知っている“瘤取り”“ 浦島さん” “カチカチ山”“舌切雀”の四編のお伽噺をかりて、人間の性格的宿命をえぐる「お伽草子」。西鶴に材をとり、欲や義理をめぐる人間の喜怒哀楽を描く「新釈諸国噺」を収録。

『 わが母の記 ― 花の下・月の光・雪の面 』井上 靖(講談社文庫)

老齢のかげに忍び寄る宿命ともいうべきものを負うて、独自の感覚世界に生きる母の姿。老いた母の死までの歳月を、鎮魂の想いをこめつつ描く母に関する三部作のほかに、死を凝視した「墓地とえび芋」収録。

『 もぐらの言葉 』安岡章太郎(講談社文庫)

文壇随一の文明批評家と定評のある著者が、身をひそめて人の世の動向を鋭敏に察知する。“もぐら”的人間への憧憬と共感をこめて贈る軽妙酒脱な随想集。「私の鑑賞席」「わがまち東京」など四十五編を収録。

『 実感・女性論 』小島信夫(講談社文庫)

女には男を無作法にさせるものがあり、着飾った妻にわけなく不機嫌になる夫がおり、目をつぶる女の性格には男は油断ならぬものを感じ、そして女は・・・。鋭い感性がとらえた女性論、人生論。

『 ハッピネス 』小島信夫(講談社文庫)

執拗にくりかえされる対話のうちに見えてくるのは、彼自身の心の中の“町”。だが、彼らはほんとうに分かり合えるのか。会話の多い文体と独自の感性で現代文学の地平に新しい領域を拓く新鮮な短編群。

『 妖怪 』司馬遼太郎(講談社文庫)

将軍になろう ― 途方もない野望に憑かれた熊野の源四郎。将軍御台所の日野富子と愛妾今参りの局の政争のさなか、都へ上ったこの男、彼女らの妖しい魅力に溺れながら、しゃにむに“将軍”への夢を追う・・・。

『 暗夜行路 』志賀直哉(講談社文庫)

十七年間を要した著者唯一の長編小説。父に冷遇され、祖父の家で育てられた時任謙作。祖父の妾で二十年も年上の女に恋する謙作の出生の秘密。暗い運命に創作を以て立向おうとする謙作。

『 和解・小僧の神様・ほか十三編 』志賀直哉(講談社文庫)

表題作ほか「網走まで」「荒絹」「剃刀」「イヅク川」「濁った頭」「クローディアスの日記」「正義派」「清兵衛と瓢箪」「范の犯罪」「児を盗む話」「城の崎にて」「赤西蠣太」「焚火」を収録の初期中短編集。

『 たけくらべ・にごりえ・十三夜・ほか 』樋口一葉(講談社文庫)

浅草の吉原を舞台に、少年少女の思春期の恋を流麗な筆致で詩情豊かに描く「たけくらべ」ほか「大つごもり」「にごりえ」「十三夜」「わかれ道」の近代文学史上屈指の名作五編を挿絵入りで収録。

『 若きウェルテルの悩み 』ゲーテ(講談社文庫)

文豪ゲーテの古典的名作。主人公の自己陶酔と絶望、既成社会への反発と挫折のドラマを通して、青春の哀歓をみずみずしい抒情に造形し、時代精神の予感と憧憬を先取りした不朽の書。

『 狭き門 』ジッド(講談社文庫)

人間精神の深淵に新しい光をあてた二十世紀文学の先駆者ジッドが、ひとつの観念を生き抜いて挫折して行く青春の悲劇を精緻な技法で綴った恋愛小説の傑作。

『 トム・ソーヤの冒険 』マーク・トウェーン(講談社文庫)

腕白で冒険好きのアメリカ西部生まれのトム・ソーヤ。仲よしのハックとともにくりひろげる滑稽冒険譚。誰にも懐かしい少年の日々を思い出させる、少年少女から大人まで楽しめる児童文学の名作。

『 クリスマス・キャロル 』ディケンズ 北川悌二訳(講談社文庫)

クリスマスの前夜、欲張りで残酷な老商人が、過去、現在、未来の三幽霊と昔の幽霊の教えによって善意と良心をとり戻す。文豪ディケンズが人生の真実について万人にきびしく問いかけた名作。

『 マルテの手記 』リルケ 高安国世訳(講談社文庫)

愛の意味を問い、生と死の不安のただなかを生きぬく、作家志望のデンマーク青年マルテ。緻密な詩的言語を駆使して、現代散文小説の金字塔を築いたリルケの名作。

『 赤と黒 』スタンダール 大岡昇平・古屋健三訳(講談社文庫)

田舎町の木挽の子ジュリアン・ソレルが、才気と野心のおもむくままに奔放に生きた愛と真実のドラマ。反抗期の社会の時代精神を簡潔的確なデッサンによって見事にとらえたフランス心理小説の傑作。

『 父と子 』ツルゲーネフ 佐々木彰訳(講談社文庫)

伝統的な貴族文化に強い愛着を抱きつつも、ニヒリスト、バザーロフを生み出さずにはいられなかった十九世紀後半のロシア―。その胎動をいち早く感じて形象化し、賛否両論をまきおこした傑作。

『 シャーロックホームズの回想 』コナンドイル 鮎川信夫訳(講談社文庫)

世紀の名探偵ホームズが世に生まれるきっかけとなった「グロリア・スコット号事件」宿敵と共に滝壺に落ち行方不明となる「最後の事件」「消えた競走馬」など傑作十一編を収録。詩人鮎川信夫の新訳第二弾。

『 O・ヘンリー名作集 』O・ヘンリー 多田幸蔵訳(講談社文庫)

はなやかな大都会の底に流れる哀愁と暗闇に一筋の光芒を放つ人間の真実。名作「最後の一葉」をはじめ、心暖まるユーモアとしみじみとしたペーソスをにじませて庶民の哀歓を綴る数珠作三十二編を収録。

『 怪談 』ラフカディオ・ハーン 斎藤正二訳(講談社文庫)

柔軟な精神と詩的想像力そして澄明な文体が、日本古来の文献や民間伝承に取材して創作した、実在感あふれる霊妙不可思議な世界十七編に、「虫の研究」三編収録。他本に見られぬ著者の注釈もすべて訳出。

『 若い芸術家の肖像 』ジョイス 丸谷才一訳 (講談社文庫)

ダブリン郊外で生まれ、僧職につくべく厳格な教育を受けたスティーヴン・ディーダラスは、やがて信仰と愛と芸術との葛藤に悩みつつも芸術家を志す。みずからの生活を素材とした青春小説の傑作。

『 学問のすゝめ 』福沢諭吉(講談社文庫)

「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」なる言葉より説きおこし、封建思想を排撃、明治という新時代の個人、国家の在り方を広く一般に訴えた福沢の名著を現代表記に改めて贈る決定版。

『 日本のこころ 』岡 潔(講談社文庫)

情緒・学問・信仰・教育など、日本人の原点的な精神生活に深い洞察の眼を向ける。数学者 岡潔博士の多彩な思想を集大成した、現代におくる生きた思索の書。

『 創造への飛躍 』湯川秀樹(講談社文庫)

現代科学の最先端にあって、つねに若々しい情熱を失わず、創造と進歩と世界平和のために活動する、日本最高の科学者、湯川博士に三十年間にわたる思想の飛跡を集大成する決定版。

『 自己発見 』湯川秀樹(講談社文庫)

〈人間が忙しく走りまわる文明を、高度の文明だとは思いません〉人類と社会への熱っぽい提言、古典への深い思い、創造的な生き方のすゝめなど。現代を代表する知性による含蓄深い、必読のエッセイ集。

『 歎異抄 』親鸞/唯円(講談社文庫)

親鸞の苦悩と信仰の極みを直弟子唯円が大胆率直に述べた聖教。最適の注釈者の得、親鸞、唯円の人間像と本書成立の事情に新たな視点で迫る好著。現代語訳、各条のこころ、解説、注、年譜等を付す。

『 生物の世界 』今西錦司(講談社文庫)

ダーウィンの自然淘汰説を越える独自の進化論の構想を、思想的自画像風に描くユニークな文化論。科学文明の危機に際し、生態学へ関心が強い折、その基本書としても必読の書。

『 花伝書(風姿花伝)』世阿弥(講談社文庫)

申楽者観阿弥が、その実力を養い発揮する方法を人間の本性を会得した立場で考究した稀有の体系的芸術論。またその卓越した洞察は人生論としても現代に生きている。

『 明治人物夜話 』森鉄三(講談社文庫)

明治天皇の御逸事、大西郷の一言、海舟邸の玄関、大隈候の碁、広瀬中佐余聞、尾崎紅葉雑記など日本の黎明期といわれる明治に輩出した人物五十余人の知られざる逸事、言行を描く。「近世人物夜話」姉妹編。

『 今日の芸術 』岡本太郎(講談社文庫)

セザンヌに始まる現代絵画の系譜を追いつつ創造的精神の沸騰をダイナミックに語って、読者の内なる芸術家をよびさまさずにはおかない・・・。真のアヴァンギャルド岡本太郎の名著。

『 日本歴史を点検する 』司馬遼太郎 海音寺潮五郎(講談社文庫)

歴史文学の二大巨匠が談論風発のなかに、鋭い指摘、卓抜な意見を交わしつつ、延々十時間も語りあかした日本の歴史。古今東西にわたる博識を縦横に披瀝して、世界の中に日本民族とは何かを探った問題の書。

『 伝記 吉川英治 』尾崎秀樹(講談社文庫)

「宮本武蔵」「新平家物語」「私本太平記」など数々の国民文学を生み、文化勲章に輝く文壇の巨星、波瀾の生涯。日本人の豊饒な夢とロマンを描き続けた人間吉川英治の詩と真実を綴る長編評伝。

『 哲学する心 』梅原猛(講談社文庫)

限りなき闇に深さ、光なき虚無の時代。不安と絶望の哲学から出発しつつ、平和と生命に哲学を求め、認識に旅をつづけるユニークな思想家である著者が綴る、はじめてのエッセイ集。

『 美と宗教に発見〈創造的日本文化論〉』梅原猛(講談社文庫)

日本人の心に根深く巣食うさまざまな偏見から我々を解放する日本文化論。日本の文化を見つめる正しい眼を培うために書かれた、瑞々しい創見と情熱に満ちた著者に処女論文集。

『 巨人出口王仁三郎 』出口京太郎(講談社文庫)

明治四年、京都亀岡に小農の子として生まれた出口王仁三郎、“何ぞ貧者に児たるを恥じんや”と迫害や受難に屈せず、堂々たる宗教家の道を歩んだ。閉塞の時代に悩む現代人に感銘以上の指針を与える好著。

『 晩年に想う 』アインシュタイン(講談社文庫)

創造と通念との矛盾相剋に苛まれる不世出の天才アインシュタインが訴え続けた平和主義、世界政府の提唱、現実に立脚した理想主義、シオニズム、加えて場の一般論の研究等、彼の全身像を示す。

『 外科の夜明け 』トールワイド(講談社文庫)

近代外科医学が著しい進歩を遂げるまでには、幾多の先人の血のにじむ試行錯誤があった。その苦闘の歴史をドイツの記録作家トールワイドが、足で集めた豊富な資料を駆使して描く感動のドキュメント。

『 新東海道五十三次 』井上ひさし文 山藤章二画(文春文庫)

江戸文献を自由自在に駆使し、言葉遊びにふけりながら、東海道を旅する井上弥次と山藤喜多の道中記。十九の「膝栗毛」をパロディ化して、面白、可笑しく、うんちくを傾けたディスカバー東海道

『 悪人列伝全四冊 』海音寺潮五郎(文春文庫)

(一)蘇我入鹿、弓削道鏡、藤原薬子、伴大納言、平将門、藤原純友(二)藤原兼家、梶原景時、北條政子、北條高時、高師直、足利義満(三)日野富子、松永久秀、陶晴賢、宇喜多直家、松平忠直、徳川綱吉(四)大槻伝蔵、天一坊、田沼意次、鳥居耀蔵、井上馨、高橋お伝の二十四人は悪人として有名だが、その時代背景と人間関係を見直して、新しい、時には魅力的な人物像を生み出した史伝の名作。解説・網淵謙錠

『 中国英傑伝 上・下 』海音寺潮五郎(文春文庫)

善も悪もおよそ日本とは比べものにならないスケールを持つ中国の英雄たち。古代の「史記」の世界を再現して、夢に賭け、興亡をくりかえした歴史のドラマを、今改めて現代人に捧げる熱烈な史伝小説

『 青い月曜日 』開高健(文春文庫)

著書にとって青少年時代はとめどもない二日酔であった。その二日酔―ブルー・マンデーの青春を生きたひとりの青年の自己形成のあとを追い、青春の陰影を詩情あふれる文体で定着させた開高文学の傑作。

『 中国任侠伝Ⅰ・Ⅱ 』陳舜臣(文春文庫)

中国にも豪傑はいた。しかも悪人、美女、悪女、いずれも限りなくスケールが大きい。「史記」の世界に材を得て、その広大無辺のエネルギーそのままに、波乱万丈の物語を展開させる、血沸き肉踊る武侠小説。

『 埋み火 近松門左衛門 上・下 』杉本苑子(文春文庫)

身分の低い侍がたまたま浄瑠璃の世界に興味をもち、ついに日本文学史に残る不滅の浄瑠璃作者になる。それが近松門左衛門である。この長編小説は、大胆な想像力を駆使して近松の人間像を描き上げた。

『 年の残り 』丸谷才一(文春文庫)

老い、病い、死という人生不可知の世界を巧みに結実させた芥川賞受賞作「年の残り」と「川のない街で」「男ざかり」「思想と無思想の間」の三篇を収め、人生のひだを感じさせる六十年代の作品。解説・野呂邦暢

『 月山・鳥海山 』森 敦(文春文庫)

雪に閉ざされた山間の村で村人と暮らしをともにしながら知ったこの世ならぬ幽明の世界を描く芥川賞受賞作「月山」とその姉妹篇「天沼」に「月山」への道程を示す短篇集「鳥海山」を収録する。解説・小島信夫

『 ユーモア辞典全三冊 』秋田實(文春文庫)

笑いがあってこそ人生は楽しい。その笑いのタネ「コント」を、著者が五十年間に集めた数万の中から、各冊1千ずつ選んで、実際の生活に役立ち、どこから読んでも面白いように構成したユーモアの集大成。/p>

『 百人一首の世界 』久保田正文(文春文庫)

百人一首を習うことが学問のはじめであった時代もある。単なるあそびとしてだけでなく、日本の伝統を訪ねる拠り所として。

『 職人衆昔ばなし 』斎藤隆介(文春文庫)

左官、石工、庭師、指物師、竹細工、織物、蒔絵、表具師など、二十七人の聞き書。〈伝統技術の保存・継承〉という四角い言葉ではこぼれ落ちてしまう、貴重な職人たちの汗と涙がしみこんだ話の数々だ。

『 インパール 』高木俊朗(文春文庫)

太平洋戦争において、ビルマ・インド国境で戦われた、いわゆるインパール作戦は、地獄の戦闘として知られている。無謀な指揮官の犠牲となった兵隊たちの魂に捧げる真実を追求したドキュメントの力作。

『 星の王子とわたし 』内藤濯(文春文庫)

名訳「星の王子さま」で知られる著者が、サン・テグジュペリの生涯を追いながら、同時に自分の心の中に住む“星の王子さま”を探し求めて、読者の心に清々しい感動を与えるエッセイ。解説・波多野完治。

『 世界史の十二の出来事 』中野好夫(文春文庫)

アラビアのロレンス、河井継之助、ロスチャイルド家、エカテリーナ二世、ロベスピエール、トマス・ペインなど世界史のなかから十二のテーマを選んで、歴史における人間の運命を考察した面白いエッセイ。

『 読書と私 』文芸春秋編(文春文庫)

子供の頃に読んだ本の思い出、青春時代に巡り会った一冊の本、主人公と同化する密かな喜び、さらには読書不要論などなど、芥川賞・直木賞受賞作家二十九人が自己の体験から新たに書下した珠玉エッセイ集。井上靖/井伏鱒二/池波正太郎/石川達三/五木寛之/色川武大/遠藤周作/長部日出雄/大江健三郎/北杜夫/黒岩重吾/庄司薫/城山三郎/杉本苑子/田辺聖子/陳舜臣/永井路子/新田次郎/野坂昭如/野呂邦暢/畑山博/半村良/丸谷才一/丸山健二/三好京三/安岡章太郎/山口瞳/吉行淳之介/渡辺淳一

『 ロマン・ロランの長編小説十巻 』ジャン・クリストフ 1904-12年刊

ベートーベンをモデルにしたといわれる作曲家、ジャン・クリストフを主人公にその精神的成長を描く。当時一世風靡した小説。高三の時に一番話が合う人からすすめられた本。授業に「読書のすすめ」をとり入れるきっかけになった貴重な小説。

『 入門 宇宙論 』高橋典嗣、 二間瀬敏史 (著)(洋泉社MOOK)

ダークマター、ダークエネルギーとは?宇宙の果ては? 地球外生命体は存在するのか?ヒッグス粒子が引き起こすものとは? 最新理論が138億年の謎を解き明かす! 宇宙物理学者でインフレーション宇宙論の提唱者として知られる、東京大学名誉教授の佐藤勝彦氏らのインタビューも収録。

『 様々なる意匠・Xへの手紙 』小林秀雄(角川文庫)

第一部は著者の文壇登場作である「様々なる意匠」近代日本文学の根底にある問題を提起した「私小説論」「文芸批評の行方」など代表的論文八編。第二部は、処女作「一つの脳髄」を始め「Xへの手紙」「おふえりや遺文」など著書の誕生と成熟を物語る創作六篇を収めている。

『 ドストエフスキーの生活 』小林秀雄(新潮文庫)

年少にして母を失い、父は農奴に惨殺され自らは空想的社会主義者の群に投じて社会改造を夢みる文学青年ドストエフスキーは金使いの荒いブルジョア息子であった。思想犯、死刑囚、シベリア流刑人、姦通、失恋パリ旅行、借金、賭博、あらゆるどん底の痛苦の中で溢れる人間への愛。彼の作品は血と涙の結晶といえる。

『 無常という事 』小林秀雄(角川文庫)

思い出となれば、みんな美しく見えるとよく言うが、その意味をみんなが間違えている。解釈を拒絶して動じない歴史の魂というものに、心を虚しくして歴史はいよ訪ねてみれば歴史はいよいよ美しい。著者は、独自の立場から当麻・徒然草・平家物語・西行・実朝を批判する。めざましいばかりの新しい感覚に感動させられる。

『 私の人生観 』小林秀雄(角川文庫)

日本はなぜ敗れたのか。近代日本文化とはこんなにもろいものだったのか、そしてこの軽薄な戦後文化の氾濫は何だろう。敗戦の傷痕を全身にうけて己をずたずたに引裂かれた著者が深い反省と沈潜から立ち上がって文壇に突きつけた果たし状がこれだ。著者の叡智と真実の光る名作。他にユニークな随筆二十一編収載。

『 ゴッホの手紙 』小林秀雄(角川文庫)

「僕の魂の中には大きな火があるのだが、誰も暖まりにやって来る者はない。」天才画家ゴッホは炎の人だ。しかし、その炎は俗人向の生ぬるさではない。ひたむきに燃えさかる永遠の火だ。貧しい人々へ常軌を逸した献身。失恋。売春婦との結婚。そして破局。孤独の中をのたうち廻りながら弟テオに与えた切々の手紙。

『 作家の顔 』小林秀雄(角川文庫)

当代一の透徹した評論家である著者の文芸評論集。「作家の顔」と題した理由は、作品よりも主として作家について書かれたものが多いからである。篇中「菊池寛論」「志賀直哉」は特に評判になったもの。一見非論理、非合理的とみられる理論の中に、ものの本質、核心を鋭く衝く天才的な英知が閃いている。二十一編収録。

『 モオツァルト 』小林秀雄(角川文庫)

「モオツァルト」は彼の逸話、音楽史の論述、古典精神と近代精神の対立、あるいは筆者自身の回想を語りながら「書簡集」を精読し得意の人間観によって彫りあげた独自のモオツァルトの肖像と彼の音楽を比較した、筆者の代表的エッセイ。ほかに「表現について」「ヴァイオリニスト」「バッハ」他、座談会を収録。

『 常識について 』小林秀雄(角川文庫)

著者は真の意味の創造的な叡智の評論家である。その独自の直観、強烈な観察を経た個性的な文章は、読む人の心を捉えてはなさない。「常識について」「真贋」「蟹まんじう」等のユニークなエッセイをはじめ、「政治と文学」「ソヴェトの旅」の講演を含め、円熟した著者の現在を語るものである。

『 夜と霧 』ビクター・フランクル(みすず書房)

極限の状態におかれても、人間は人間としての尊厳を保ち得ることを冷静な心理学者の目で証明した。

『 世に棲む日日 』司馬遼太郎(文春文庫)

近代日本における思想家、吉田松陰と弟子高杉晋作の高い志が長州藩や日本の将来を変えていく様子が描かれている。大河ドラマ「花燃ゆ」にもヒロインの兄として塾生への影響力の大きさについて登場。

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