デザインに対する意識が変わり、しかも仕事としてデザインすることが出来るようになったことは、私のこれからの人生に大きな影響を与えてくれた。デザインに対する意識が変わったというのは、つまりデザインには意味があるんだということに気づいたことだ。

昔はデザイン、駅のポスター、店頭POP、会社のロゴマークなど、何をみるときも、「見る」であって「観る」ではなかったし、すべてを視覚的にしか捉えていなかった。でも最近、その意味を考えるようになってからは、どうして美しいのか、どうして面白いのかを少しずつだが意識して観ることが出来るようになった。

そうやって意識して物を観てみると、町には勉強するネタがあるれていることに気付く。でも、意識して観るということは決して簡単なことではなく、四六時中、頭のアンテナを動かしていないといけないので、私のように素人に毛が生えたようなデザイナーにはまだまだ力不足。

デザインは教えてもらうというより、学ぼうとする前向きな姿勢が必要だ、ということも事実である。デザイナーは常にいろいろなものを観て学びぶことが要求される。学生の間は課題のことで頭がいっぱいでそれ以外のことを考える余裕が持てなかったので、卒業後は是非そういう意味での勉強を心掛けたい。

最後に、ここで多くの同じ目的を持った友人が出来たことがどんなに私に影響を与えてくれたかを述べておきたい。基礎課程以降のカリキュラムは、それぞれ自分のペースで課題をこなすので自分に甘ければなかなk前に進めなかった。でもそんな時いつも私を刺激し、引っ張ってくれた友人がいた。彼等が頑張っている姿が私を最後まで導いてくれたのかも知れない。

これから学校を離れて、このデザイン界で独り立ちするわけだから、今からこそが本当に自分との闘い。学んだことをステップにして、もっと自分を磨いていきたい。いろいろと御指導下さった先生方本当にありがとうございました。

本科 グラフィックデザインコース 田部明子