卒業をむかえ、理解できたことが一つあります。それは、卒業は決して到着地点ではなく、新しい出発地点だということです。この２年間で学んだことを生かして、これから働いていこうという決意があるからこそ現在の心境に達したのだと思います。

在学中に幾つもの課題を通じ、多様なジャンルの作品制作にチャレンジしてきたが、これはあくまで修行期間のようなものであり、決してゴールではありません。実際に仕事を始めれば、さらに多くの技術を修得しないといけないし、プロとしてより高次の発想、完成度、スピードが求められます。今ある自分に満足してはいけません。

これからデザイナーとして仕事をしていく上で、現在痛感している気持ちを決して忘れることのないよう心掛けたいです。初心を忘れず、いつも謙虚に学ぶ姿勢を持ち続けたいです。また、在学中に出会えた同じ目標を持つ友人達ともこの先、交流を続けていきたいと思います。互いに作品を見せ合ったり一緒に美術展を見に行ったりすることで、一つの物事に対しても、多様なアプローチの仕方があることを学べたからです。

デザイナーは常に自分が良いと思うものを作るだけでなく、それを見る人がどう思うかという事を常に意識することが重要だと気付けました。良い友人に恵まれたからこそ、このような考え方に辿りつけたのだと確信しています。

この２年間で経験したことを土台にして、この先も研鑽を続け、仕事を通じて充実感を味わえるような人間になっていきたいです。

本科グラフィックデザインコース　松田理香