卒業するにあたって2年間を振り返ってみると、実にいろいろな経験が出来ました。例えば作品ごとにテーマが違うため、「包装紙制作」の時は歩いている人が持っている包装ばかりが気になったり、「文庫本の表紙制作」「CDジャケット制作」の時は実際にお店に行って眺めてみたりしました。プランを練っている時はなかなかアイデアが出てこないものですが、何気ない時にうかんできたりして、嬉しい思いをすることも数多くありました。物の見方も消費者の目線から制作側の目線に少しずつ変わってきている実感も私にとっては嬉しいことでした。
そして、課題や授業とは別に印象深いのが色彩検定でした。それまで色を表面的にしか捉えていなかった私は3級、2級と勉強を進めるうちに色の不思議さや面白さが分かるようになってきました。単なる知識のみではなく、色彩検定を受講していなければ気付くことのなかった「何にでも物怖じせず、とにかくやってみる」ということを大切に感じた検定でもありました。
しかし、自分自身が変わってこれたのもやはり人との出会いによるものが大きいと思っています。河原先生にはお会いするたびに経験者ならではの沢山のアドバイスだけでなく、何気ないお話などいろいろ教えて頂きましたし、もちろん先生方にも大変お世話になりました。そして、学校で出来た多くの友人もお互いに意見しあったり、相談したりして、教室の中だけとはいえ貴重な時間を過ごすことが出来ました。
これからはさらに制作側の目線を培っていくためにいろいろな世界や物事など、常に意識して取り組んでいこうと考えています。最後になりましたが、河原先生をはじめ諸先生方には本当にお世話になりました。ありがとうございました。
本科 グラフィックデザインコース 谷口明子