実は「この学校に行こう!」と決めたのは第一に夢破れて茫然としている自分からはやく立ち直りたかったからだった。あれから2年。「私がデザインを勉強することになるなんて・・・」と想像もしたんかった人生の選択肢を選んだ頃の私が、今では懐かしく思えている。もちろん、デザインを勉強しようと決めたことは、ただ自分を立ち直らせるための手段ではなく、広告業界で働きたい、そして活躍したい!と思ったからこそだった。

だから私は、目標に向かってアルバイトをして生活費を稼ぎ、夜は独学で勉強していた毎日が、今度はまるっきり別世界へ進路変更することになっただけで、これまでどおり昼間働いて夜は勉強、という生活を続けることにした。とにかく思いきって広告業界という新しい世界に向かって走り出してみた。はじめは「やれるだけのことはやってみよう!」とゆっくり構えていた私だったが、たまたまアルバイト先が新聞社内だったこともあって、知らず知らずに広告に興味を持ち、影響を受けていたみたいだ。そんな私は、早く新聞社内の人達と対等に仕事が出来るようになりたいと思い始めるようになっていた。ゆっくりマイペースで走っていた私は、気が付いたら広告業界目指して突っ走っていた・・・。

卒業前の2、3ヶ月は課題をこなすことがきつかったけど、デザインに関わることが楽しいと思える気持ちの方が強くなっていたのでやりぬくことが出来た。もう燃え尽きてしまったと思った2年前の自分を思い出すと、一生懸命な自分にまた戻れたことがうれしかった。

入学から2年間、画材日を稼ぐために勤務時間を延長してもらったり、デザインだけでなく、以前から勉強したいと思っていたコピーライター講座を受けにいったりと、やれることはやってきた自分に「よくここまでやった。」と今は言ってあげたい。そして何より私のことを応援し、経済面などで支えてくれた周りの人がいてこそだといえる。この感謝の気持ちを今だけでなく社会に出てからも常に忘れないでおこうと誓っている。

本科 夜間グラフィックデザインコース 三宅友加