河原デザインスクールの色彩講座


サイトトップ色彩講座トップ > 色彩講座

河原デザインスクールの色彩講座D色の不思議な働き

前へ ■黄…映画の話から 次へ


昭和32年に封切られた『黄色いカラス』と言う、当時かなり話題となった映画がありました。主人公は清という小学生ですが、戦地から復員した父が、かつての部下に雇われ、屈辱的な日々を過ごすうち、この清少年につらく あたるようになります。或る日、図画の時間にカラスを黄色いクレヨンで描きます。

父に対する屈折した心が、黒いカラスを黄色く塗ってしまいます。映画の題名は、この一枚の絵から名付けられました。清少年の意識の底には、優しかった父の姿が焼き付いていたに違いありません。 そして、もとの優しい父にもどって欲しいと、声なき声で叫んでいたことでしょう。

幼くして父を亡くしたり、父と心ならずも引き離されたりすると、父の愛情にすがる心が、黄色と黒のふたつの色に執着するのです。アメリカ映画『黄色いリボン』のヒロインの女性士官も、同じ兵営内の 中尉に思いを寄せている間、黄色いリボンを三つ編みの髪に結んでいました。

いづれにしても、黄色は「愛情」に関連のある色です。皆さんは『ラストエンペラー』と云う映画をご覧になりましたか。あの映画によって、中国の皇帝の服色が黄色であることに気付かれた方は大勢いることと思います。黄色は太陽をイメージする色であり、中国では尊い色として、皇帝の服色になっています。勿論、皇帝以外の人は、 この色を着ることは出来ません。一方、欧米の一部では、キリストを裏切ったユダが黄色い服を着ていたことから、心の醜さを表す色として、受け止められているようです。 辞書でYELLOWを引いてみても、[黄色人種/陰気な/嫉妬深い/疑い深い/扇情的な]など良い意味の訳がありません。従って、黄色は極端な二面性を持った色だと云えましょう


トップページ 資料請求 入学相談 学費 アクセス 生徒作品 サイトマップ 気軽にお電話ください 06−6453−4351 〒530-0001大阪市北区梅田1-2-2大阪駅前第2ビル2F