河原デザインスクールの色彩講座


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河原デザインスクールの色彩講座D色の不思議な働き

前へ ■黒=色の終着駅


いろんな色をどんどん混ぜ合わせていくと全ての色味は消滅し、黒が出来ます。黒が白と対比されるのもこのような極端さからであることは否めません。 「あいつは黒だ」といえば犯人であることを意味し、「黒白をつける」の言葉があるように白は善で黒は悪を表しています。だから、推理小説の題名に「黒い霧」 とか「黒革の手帳」など黒の字のつくものが多いのです。黒の表現が犯罪や悪をたくみに匂わしています。ところで、恐怖心を抱くと無意識に黒いものに手がでるようです。

かなり古い話ですが、三越事件の当事者であるT女史が初公判の日に、東京地裁に入る時の姿を各社が一斉にテレビ放映しましたが、その時の服装が黒一色でした。 裁かれる身になれば恐怖心もひとしお深いものがあります。黒にしても灰色にしても、不安感や恐怖心に襲われた暗い心がこれらの色を呼んでいるように思われてなりません。

1980年代の初め頃から、若者の間で黒が流行し始め、カラス族という新語までが生まれました。たしか、三無主義なる流行語も、 この頃のやる気の無い若者に与えたものだったと記憶しています。
漠然とした不安感を抱いた若者達が黒やモノトーンの服色に引かれていったのも分かるような気がします。

この黒の服色が、今日まで引き続いて若者に人気があることを思う時、ちょっと不安な気持ちになってしまいます。しかし、あの硬い鋼鉄をくろがねと呼ぶように、黒は強さと剛健さを象徴した 色でもあるのです。若者が 黒の強さに引かれている現在の日本は政治不信の混乱の渦中にありますが、くろがねのように強く堅実な日本に、早く帰って欲しいと思っています。


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