河原デザインスクールの色彩講座


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河原デザインスクールの色彩講座D色の不思議な働き

前へ ■渋い茶は限りない欲望の色 次へ


江戸時代「百茶・百ねず」という言葉がありました。これは色みのよく分からない色にまで、 とにかく「○○茶」と何でも「茶」を付けて呼んだからです。一方「ねず」は「ねずみ色」のことで多少色みのあるくすんだ色を「○○ねず」と名付けたからです。 このような理由から「茶」と「ねず」の付く色名があふれるようになったのです。

多くの「○○茶」の中でも、江戸時代色名に「団十郎茶」とか「路考茶」など歌舞伎役者の名を付けたものがあります。贔屓の役者が好んで着た着物の色と同じものを着て、 役者の出演している芝居見物に出かけました。これがファンであることの意思表示であったのでしょう。因みに「路考茶」は、二代目瀬川菊之丞(俳号路考)が、 八百屋お七の芝居で下女役を演じた時の着物の色だといわれています。

茶色は、オレンジ色に黒の要素を加えて出来る色です。同じ色みの「茶」の場合は、一歩進んで欲求を満たそうとする積極的な心の持ち主が求める色なのです。

「百茶・百ねず」補足:江戸中期以後、逼迫した財政上の理由から、贅沢禁止令のお触れが出されました。着物の色も当然ながら華やかなものを着ることが出来ません。 そこで、多少色を黒ずませて華やかさを抑え、ちょっと見には質素に見える色にして、こんな色までも「○○茶」と名付けました。厳密には茶色でない ものもありますが、不景気な世と質素な生活を余儀なく強いられたこの時代の人達が「茶系統の色々アレンジされた色」に共感を覚えたことは、興味深い現象です。


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