卒業制作 環境世界地図 2000年 3月

水質汚染
広葉樹の森は生物の生態系と密接に結びついています。毎年、大量の葉が落ちる広葉樹の森の土は早く腐葉土層ができるため、針葉樹よりも森の生産力は高いといえるのです。広葉樹の山々の沢から流れ出る水はどんなに雨が降っても、濁ることはなく、栄養分を含みながら川を渡って海へ流れているのです。
森林伐採
豊かであった森林は日本の高度経済成長にともない、燃料用木材や建材用として次々と伐採されました。それにより森の荒廃が進むだけでなく、土砂が直接海に流れるようになり、生物の生態系を乱しています。かつての森を取り戻すには数百年かかるといわれているのが現状です。
河川
河川は森林から流れ出る栄養素を含んだ水を、海に運ぶ大切な役割を果たしています。しかし、近年川の流れや川幅が人為的に変えられ、海の生物達に必要な養分が正常に運ばれていない河川が増加しています。
熊と鮭の関係
鮭の生息は環境悪化ために減少しています。鮭は河川を産卵し一生を終えますそれらは熊やふくろうのえさになっていました。しかし、その死骸も減少傾向にあり、食料が確保できない今は空腹を満たすため、人間の領域に出没し、射殺されてしまうのです。
牡蛎・ニシン
かきは一日10リットル以上の水を吸収し、栄養素だけを体内に取り入れ大きく豊かな実をはぐくんでいます。しかし近年では育ちが悪く小ぶりのかきが増えています。その背景には、森林伐採が盛んに行われていることがあげられます。
昆布
河川が流入している海域は、森林の栄養素が河川を通って海に運ばれ、昆布の質を高めています。しかし、その流通路である河川の水量が減少し、河川の上流域にある豊かな森林が伐採などの人手が入ったために、昆布の質に影響を与えています。
鉄分
海の生物は必要な栄養素を吸収するために鉄分を体内に取り入れなければなりません。その鉄分とは、森の岩石や土に含まれていて、雪解け水や雨により川から海へ流れる仕組になっています。
参考文献
「リアスの海辺から」畠山重篤
「森は海の恋人」畠山重篤
「森が消えれば海も死ぬ」松永勝彦
カラーコーディネートコース 中村陽子