衣食住から、住食衣へ
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衣食住から、住食衣へ

衣食住から、住食衣へ

1996年 平成八年 四月 講話 河原 碧子

今日から皆さんはデザインを学ぶと云う目的のもとにここに集まっていらっしゃったのですが、デザインの仕事現場ではPR活動や広告制作の様に表面的な事ばかりではないという事を申し上げたいと思います。
例えば☆CI専門の会社〈企業理念を持った会社〉を取り上げて見ると色々な実務、名刺からマークの様な小さなものから始まって、企業環境に至る迄企画立案の経験を重ね、「デザインの持つ役割や機能」を既に社会的に確立されたデザインビジネスが、どうあればよいのかを学ぶ事が出来ます。国際化の進む現代社会では、言葉を越えた視覚伝達機能をもつ強い印象のデザインが高い評価を受けて来ました。
しかし日本人が特質として発揮する「感性の高さの重要性」はデザインの国際市場に於いても無視される事はありません。

企業が持っている「社会的・文化的役割や人間性」に与える魅力は広告表現だけでは伝える事が出来ません。
この点が企業にとって「一貫性のあるテーマの持続性」を最も必要とする大切な処です。
企業が外国のデザイナーに依頼した「CI計画」の中には日本という「土地柄や民族性」に於いて違和感があるものもあります。今、思うとその軽やかさが、時代を先取りしていたのかもしれません。
☆広告は企業にとって、仕事をしている者は云うまでもなくトップにとっても人生の夢であり、その理念をどう表現できるかは、デザイナーに任せてばかりいられない最高に重要な仕事であるといえます。その意味でも
グラフィックデザインを初め、デザインを学ぼうとし、又、その仕事につこうとするものは、あだやおろそかな勉強の仕方では駄目であるという認識が必要です。

幅広いキャリアや知識・豊富な内容を蓄積する為の読書など、積極的に精神や頭脳の訓練を心掛けなければなりません。又、グラフィックデザインと環境デザインを結びつける役割や、それに伴う色彩計画は、その土地柄や人間性を反映した文化や生活を、快く積み重ねていく為に必要かつ重要な要素です。それは人々に語りかける言葉でもあります。
☆ロゴ(社名や商品名やブランドなどの象徴を図案化)や、CI、ポスター・カタログ・サイン計画、インテリアデザイン、美術館・博物館やイベント会場の色彩計画、快適な環境を作るアメニティデザイン、光や照明の特殊効果や音楽、イメージ作りや都市計画等があります。何より重要なのは一般市民の景観に対する認識や理解が高められていく事です。

☆行政の規制や管理に全面的に頼る事なく、一人一人が目覚めて仕事をする為のリーダ力を、デザインをしっかり学ぶ事によって発揮出来る様にならなければなりません。
☆かつて世界経済の中心だった英国が斜陽を迎えたのは人間を中心とした環境づくりによって社会と人間とのバランスが取れなくなって行った事が原因であるといわれています。
☆ハイテクやコンピューターや経済・情報中心の生活が如何に無意味であったかを悟ったのです。
☆日本に於いては意味もなく云い慣らされてきた衣・食・住の順位の生活は今回の大震災でも判った様に、住に対する認識の浅さが、環境や快適な生活の無視につながり「文化や情緒」育成の妨げになっている事がわかります。

☆好きな本も積んでおけない、美しい花も咲かすことも出来ない、こんな住生活を是非とも改善して最も大切な事が住による環境である事。衣・食・住から住・食・衣と順位を替えていって欲しいと心から願います。最近の地震で罹災したビルのグレーの壁面に、修理のために塗られたクリーム色と淡いピンクのペンキの色を見て夜が更けて、夕方の陽ざしに見えるのが何とも云えない、心暖まる気持ちになりました。この色合いは、カラーコーディネートに応用出来るお知らせと云うか、ヒントやきっかけは何処にでもあるのだなぁと、その思い付きに思わず頬がゆるんでしまいました。
色々問題を含んだデザインの世界ですがこれから希望に燃えて挑戦する皆さんの前途をお祝いして「はなむけ」の言葉といたします。

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